近頃では、夏の暑さやストレスを解消する目的で暑気払いと称して、飲み会をすることが多くなりましたが、暑気払いとは、文字通り、暑さのために体に溜まった熱や、暑さで弱った体の気を祓って、元気な体を取り戻すために行うことを言います。

 

暑い夏に冷たい食べ物や、飲み物、また体を冷やす効果があるものを食べて、弱った体を元に戻して、元気になろうというものです。

暑気払いの時期は?

暑気払いの時期は特に決まりはありません。暑い時期ならいつでもいいのですが、暦や行事を参考にするのもいいので、次にあげましょう。

夏至(6月21日~22日頃)
太陽が1年で最も高く昇り、夜より昼間が1年で最も長い日です。
本格的な夏が訪れるころ。

夏越しの祓(6月30日)
神社・仏閣では茅の輪をくぐって半年分の穢れを祓い、無病息災を願う。

小暑 (7月7日~8日頃)
梅雨明けが近づき本格的な暑さの到来。

土用(7月19、20日頃~8月6、7日頃)
立秋前の18日間で大暑とも重なって暑さが増す頃。

大暑 (7月22日~23日頃)
梅雨明けとともに最も暑くなる頃。

立秋 (8月7日~8日頃)
暦の上では秋ですが、まだまだ暑さ厳しいころ。

処暑 (8月23日~24日)
暑さがおさまってきて朝夕は多少凌ぎ易くなりますが、昼間はまだ暑い。

 

このように夏至から処暑の間位で暑気払いを行うと良いのではないでしょうか。

 

地方によっても、その年の気候によっても違いますので、「何時でないといけない」と固く考えずに暑さが厳しいと感じたときに行えばいいのではないでしょうか。

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残暑払いの時期は?

暑気払いと同様ですが、暑気払いと残暑払いの違いはあってないようなものです。

 

敢えて言うなら、立秋を過ぎて行えば、残暑払いといったところでしょうか。

 

「暑中見舞い」や「残暑見舞い」ではないので、時期や内容については、固く考えずに暑い時期に体に元気を取り戻すために行うと考えればいいのではないでしょうか。

暑気払い・残暑払いって何をするの?

食べ物で暑さを払うために、日本では昔から旬の食材を食べて体調を整えてきました。

 

夏に収穫されるスイカ、キュウリなどは、体の中から熱をとると言われています。

 

この他、トウガン、ゴーヤ、カボチャなど瓜は総じて体が衰える夏場に食べることが良いようです。

 

また、素麺、冷麦なども暑気払いに良いでしょう。

 

体の中から熱をとるというものではありませんが、この他に、夏バテ防止に土用の時期にウナギを食べるというのも、ひとつの暑気払いになるのではないでしょうか。

 

ウナギは手が出ないという場合は、ウナギと同じようにビタミンB₁を多く含む豚肉などもいいでしょう。

 

漢方を使う方法として、枇杷(びわ)の葉や桃の葉を煎じて飲むと体を冷やす効果があると言われています。

 

ペットボトル入りの枇杷(びわ)茶も販売されていますので、活用されてはいかがでしょうか。

 

関西地方では、夏の風物詩として京都の川床があります。

 

盆地で蒸し暑い京都ならではの、涼の取り方です。

 

川に突き出した床の上で、見た目も涼しげな京料理で一杯というのもオツなものです。

暑気払いの行事として「夏越しの祓い」があります。

 

1年の半分にあたる6月30日に、茅の輪をくぐることで、半年間の罪や穢れを祓って残り半年間の無病息災を祈ります。古くより神社や寺で行われています。

 

参道に茅で作られた人が歩いてくぐれるくらいの大きな輪が作られ、参拝者はこの輪を「となえことば」(神拝詞)を言いながら左に右にとくぐって参道を進み、神前、仏前にお参りします。

 

「となえことば」は地域や神社、仏閣によって違いがありますが、茅の輪のくぐり方に違いはありませんので、紹介します。

  1. 茅の輪の前で一礼。左足から輪をくぐり左回りで元の位置へ。
  2. 茅の輪の前で一礼。右足から輪をくぐり右回りで元の位置へ。
  3. 茅の輪の前で一礼。左足から輪をくぐり左回りで元の位置へ。
  4. 茅の輪の前で一礼。左足から輪をくぐり前へ進み、神前、仏前へ。
  5. 神前、仏前で参拝。

このような伝統的な行事に参加して暑気払いをするのも一興です。

 

まとめ

いずれにせよ、暑くて夏バテしそうと思ったら、冷たい物や栄養のあるものを食べたり、飲んだり、飲み会でストレスを発散したり、工夫をして自分にあった暑気払いを見つけてください。