紅葉の秋。素敵なイチョウの並木道。

落葉した黄色い絨毯の上をまるでドラマの主人公のように歩く。

秋の心地よい風を胸いっぱい吸い込む。

「え? 臭!」

清々しい空気のはずが、なんだか臭くて雰囲気が台無しに。

なんて体験をしたことありませんか?

その臭いの正体は、黄色いイチョウの葉っぱと一緒に落ちている銀杏の実。

あやまってふみ潰してしまうと、靴にもその臭いが取り付いて大変なことになりますよ。

では、

■銀杏が臭い理由は?

■銀杏の臭いを消す方法は?

銀杏の臭いについてみていきましょう。

銀杏が臭い理由は?

イチョウの木になる銀杏は、熟すと果肉が黄色のようなだいだい色のような色に変わります。

この果肉が臭うのです。その成分は、

酪酸(らくさん)

バターやチーズにも含まれる成分です。

発酵した臭いというとなんとなく想像できるかもしれません。

ヘプタン酸(エナント酸)

腐敗物のような悪臭のする成分。腐った油のような臭い。

人間の臭い足の原因ともなっています。

なんとこの二大臭いにおいとも言える成分が、銀杏の果肉には含まれるんです。

銀杏はどうしてこんな臭いを?

イチョウは原産地が確認できないほど世界のほとんどの地域で生えています。

その歴史は古く、まだ恐竜が地球を闊歩していた時代の化石からも発見されていて「生きている化石」とも呼ばれているほどです。

なぜこれほどまでイチョウが増え広がったのでしょうか。

世界の木は、鳥や動物がその実を食料とすることで増え広がります。

動物の巣に運んだり、糞の中にある種が芽を出して、子孫を増やしてきました。

ではこの歴史の古いイチョウの種を運んだのは、どんな動物でしょうか?

そう。

当時多く生息していた恐竜なんです。

恐竜が銀杏を食べ、どこかで糞をし、そこからまた新たなイチョウが芽生える。

イチョウの増え広がりに恐竜が協力していたんですね。

銀杏のこの腐敗臭は、恐竜が好んで食べる臭いとされているんです。

恐竜が肉食だったからでしょうかね?

もちろんこれは一説ではありますが、あの強烈な臭いにもそういう理由があったとすれば納得がいきますね。

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銀杏の臭いを消す方法は?

どんな理由があるにせよ、とにかくこの銀杏の臭いはどうにかしなければいけません。

どうしたらこの臭いを消せるんでしょうか?

果肉を洗い流す

銀杏を食べたい場合には、この臭いを発する果肉を洗い流します。

水の中で腐らせたり、何かでこそげたりして、果肉と種を分離させます。

もちろんその工程では、恐ろしく腐敗臭がしますので、家の外でしてくださいね。

家の外でも、近所が近かったりすると、苦情が出たりもしますので気をつけてください。

乾燥させた銀杏からもまだ臭う場合

乾燥させてもまだ臭うとなると、なかなかしぶといですね。

そんな時は、水で薄めた日本酒に1時間ほど浸してみましょう。

銀杏を踏みつけてしまった靴の臭い

とりあえず水をかけて、丁寧にブラシで洗い、踏みつけた銀杏を取り除きます。

それでも臭いが消えない場合は、重曹を溶かしたスプレーなどで洗ってみてください。

銀杏の汁が染み込んだカバンなどの臭い

シミに粉末の重曹を振りかけ、3時間ほど置いておきます。

そのあとさらに重曹を溶かした水に3時間ほどつけておきます。

そして普通に洗濯してみてください。

水で洗えないものに銀杏の汁がついてしまった!

ストッキングなどに粉末の重曹を入れ、シミの上に置いて放置してみてください。

まとめ

さてはじめに戻りますが、ドラマの主人公のようにイチョウ並木を歩きたい場合、ちょっと並木を調べてみるといいかもしれません。

イチョウにはオスの木と、メスの木があり、銀杏をつけるのはメスの木だけなんです。

並木によっては、オスの木だけを植えて、銀杏がつかないようにしているところもあるんです。

そういう並木道なら、黄色い絨毯を踏みしめても、秋風を胸いっぱい吸い込んでも、あの腐敗臭に悩まさせることはありませんよ。