牛肉や鶏肉はレア状態のものを食べる事もありますが、どうして豚肉は食べないのでしょう?
豚肉は良く焼いてね!と言われることも。
どんな危険があるのでしょうか?
今回はそんな生の豚肉を食べるとどんなリスクがあるのかを調査しました。
豚肉を生で食べると危険な理由は?
豚肉は他の家畜動物に比べると様々な菌やウイルス、寄生虫といった物を保有しているようです。
現在の飼育環境はずいぶんときれいになりましたが、豚の飼育場は衛生状態も良くなく、またなんでも食べる雑食
ということが様々な菌やウイルスも保有してしまう原因にもなります。
これが、生食に向いていない理由です。
- サルモネラ菌
- リステリア菌
- カンピロバクター
- トキソプラズマ
- E型肝炎ウイルス等
主なものだけでもこんなにズラリとあります。
それぞれの菌について簡単に説明します。
サルモネラ菌
人をはじめとして、牛や豚などの家畜の腸内、河川や下水など環境中に分布する細菌です。
乾燥に強い性質があり、少量の菌でも食中毒を発症することがあります。
特に20℃以上になるとよく繁殖しますが、熱抵抗性が弱く、十分に加熱することで死滅します。
リステリア菌
リステリア菌も、動物の腸内や河川水などに広く分布する細菌です。
その特徴は、4℃以下の低温や12%以下の食塩濃度下でも増殖できてしまうことです。
冷蔵庫に保存しても増えるので、食品は期限内に食べるよう心がけ、加熱により死滅するので十分に加熱して食べることも重要です。
カンピロバクター
カンピロバクターも、牛や豚などの家畜、ペット、野鳥など多くの動物が保菌しています。
乾燥に弱く、室温では長く生きることはできませんが、温度が低く保潤している冷蔵庫の中などは生存日数が長くなります。
潜伏期間が2~5日間と他の胃腸炎より長く、少しの菌数でも発症します。
トキソプラズマ
トキソプラズマは、多くの哺乳類・鳥類を中間宿主とし、ネコ科の動物に最終的に寄生して増殖します。
そこから人間の口、消化管を経て体内に入り込む経口感染です。
そのため、猫の排泄物に触れたり、生肉を食べたりすると感染する可能性があります。
特に妊娠中の方は、お腹の赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。
E型肝炎ウイルス
E型肝炎ウイルスは、主として経口感染し、ごく稀に感染初期にウイルス血症を起こしている患者の血液を介して感染することもあります。
自然界における感染のサイクルは未だに不明ですが、豚やイノシシなどの動物からも感染事例も報告されています。
熱処理によって感染性を失うので、特に豚レバーを食べる際には、中心部まで火が通るよう十分に加熱することが重要です。
これらの菌やウイルス、寄生虫が肉に付着し、それを人が食べることによって食中毒症状をおこします。
しっかり加熱すること(中心部まで75℃以上を1分以上)によってこれらは死滅するので加熱したものであれば人体に特に影響はありません。
平成27年6月12日より、厚生労働省も豚のお肉や内臓は生食用として販売してはならないと定めていますので、口にすることが無いようにしましょう。
また、生肉を切った包丁やまな板、調理道具、手指にも菌やウイルスは付着するので、きちんと石鹸や洗剤で洗い流すようにしましょう。
また、生ハムは生の豚肉で作られていますが、これは塩分や温度管理、燻製といった加工によって安全に食べられる方法です。
しかし、トキソプラズマやリステリア菌といったものは付着している可能性もあります。
日常にありふれた寄生虫や菌で、健康な人が摂取しても影響のないことの方が多いのですが、妊娠中に感染すると胎児への影響があるので控えるようになっています。
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豚肉を生で食べたときの症状は?
菌やウイルスによって症状があらわれるまで差があります。
大体、早いもので食後6時間から長くて1週間の間に何らかの症状があらわれます。
主に、
- 発熱
- 高熱
- 下痢
- 嘔吐
- 激しい腹痛
などが見られます。
カンピロバクターによる食中毒であった場合は、こういった症状の後に「ギランバレー症候群」といった手足がしびれたり、動かなくなる後遺症が出ることもあります。
回復する病気ではありますが、中には自力歩行ができなくなるほどの重いものもあるので大変こわいものです。
E型肝炎ウイルスについては潜伏期間も15日から50日くらいと長く、症状も風邪に似たような症状で分かりにくい事もあります。
症状が長引いたり、少しでも思い当たることがあるのであれば血液検査などで感染を確認した方がいいでしょう。
豚肉を生で食べたときの対処法は?
生で豚肉を食べたからと言って必ず症状が出るとは限りません。
たまたま菌やウイルスがついていなかったという時もあるからです。
もし生食をした、良く煮えていなかったかも?
と後から心配になった時は、1週間程度は体調の変化に注意をしておきましょう。
菌やウイルスによって潜伏期間が違うからです。
特にいつも通りであれば病院を受診する必要はありませんが、少しでも体調不良があらわれたらすぐに医療機関を受診し、生の豚肉をいつ食べたのかを報告しましょう。
いくら軽い症状でも食中毒の場合は急激に悪くなることもありますので必ず受診してくださいね。
ただし、あまり考えすぎてもその気になって具合が悪くなることもありますので考えすぎにも注意したいですね。
まとめ
豚肉は他のお肉よりも体に有害なものが多く潜んでいることが分かりました。
後々、自分が苦しまないためにもしっかり加熱するようにしましょう。
特に体調の悪い時や高齢者、お子様が食べる豚肉は良く火を通して食べるようにしたいですね。