お月見の風習は中国から伝わり、平安時代頃から貴族の間でお月見を行っていましたが、それが次第に民間に広がっていきました。
現代でも、夜空にくっきり浮かぶ名月を見ると、心安らぐものがあります。
中秋の名月をより楽しむために、十五夜について詳しく調べてみましょう。
2016年の十五夜はいつ?
2016年の十五夜は9月15日(木)です。
十五夜とは本来は、満月のことですから、年に12回、または13回めぐってきますが、中でも旧暦8月の十五夜は、一年中でも最も空が澄み渡り、月が明るく、綺麗な時です。
このために、古より観月の宴が催され、民間にも広がっていき、広く親しまれるようになって、十五夜といえば、旧暦8月15日を指すようになりました。
スポンサーリンク十五夜の由来や意味は?
十五夜は、満月を意味しますが、月が出ない新月と呼ばれる夜から、満月になるまで、およそ15日かかることから、十五夜と言われます。
十五夜のことを「チュウシュウの名月」と言いますが、この「チュウシュウ」とは、「中秋」「仲秋」のどちらを書くのでしょう。
旧暦で秋とは7月、8月、9月を指します。7月は初秋、8月は仲秋、9月は晩秋と言います。
つまり、仲秋とは8月のことで、仲秋の名月とは、8月の名月ということになりますから、満月をさすとは限りません。
これに比べて、中秋の名月は秋のちょうど真ん中(=8月の真ん中)を中秋というので、8月15日の名月が、中秋の名月ということになります。
このため十五夜の時は中秋の名月と書くことが多いのです。
単に月を愛でる習慣は中国や日本では古くからあり、日本では縄文時代頃からあったとされています。
名月の日に月を鑑賞するようになったのは、唐の時代ころからということです。
この風習が、貞観年間の頃、日本に入ってきて、貴族社会の中で広がりました。
平安時代頃には、月見の規模も大きくなって、平安絵巻にあるような詩歌や管絃を楽しみつつ、お酒を酌み交わすという、雅なものになったようです。
その後室町後期になって月を拝み、お供えをする風習が生まれ、今日に至っています。
十五夜は満月なの?
十五夜は満月を意味しているので、いつも満月だと思われがちですが、実は十五夜はいつも満月とは限りません。
2016年でみてみますと、十五夜は9月15日ですが、満月は9月17日となっています。
これは、新月から満月へと変わる周期が14日~16日とブレがあるからです。
難しい説明になると「月の軌道が円でないから…」などと頭の痛くなる説明になってくるので、ここでは結論だけにしておきます。
中秋の名月の十五夜は満月でないこともあります。
まとめ
このように中秋の名月についてみてきましたが、満月でない中秋の名月を愛でることもよし、中秋の名月でない満月を愛でるもよし、またどちらも愛でることもいいでしょう。
秋晴れに恵まれて、大気の澄んだ、心地よい季節に、月を愛で、古の風流な月見を忍んでみたり、お供え物をして感謝や祈りを捧げてみるのもいいでしょう。
いずれにしても、今年の中秋の名月の日が良いお天気であることを祈りましょう。