健康診断の際などに飲むバリウム。
バリウムは、検査後は速やかに体外に排出する必要があるため、下剤を飲みます。
ですが、バリウムを飲むだけでも苦痛なのにどうして下剤まで!?
自然なお通じに任せてはいけないの!?バリウムが出ないとどうなるの!?
と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
このバリウムを体に残しておくとどのような影響が出てくるのでしょうか。詳しく調べました。
バリウムが出ないとどうなるの?
バリウムは出来るだけ早く体から排出しないと、おなかの中で固まってしまいます。
「おなかの中で固まる」と聞くと恐怖を感じてしまいますが、きちんと出してしまえば安心なものですから必要以上に心配する必要はありません。
では、なぜバリウムは固まってしまうのでしょうか?
胃の検査のために飲むバリウムは「硫酸バリウム」という重金属の仲間です。
これを水分で液状にして飲めるようにしているものです。
解りやすく言えばセメントと同じような感じです。
時間が経つとセメントは乾いてカチコチになってしまいますよね。
これと同じくバリウムも口から飲み、胃、腸へと流れていくにつれて水分だけは吸収され、バリウムそのものだけが固まってくるのです。
バリウム自体を胃や腸が吸収することはないので、体内に留まる事が長ければ長いほど固まっていくのです。
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バリウムが出ない時に下剤を飲むのは何故?
先ほど述べました通り、便を出さずにいるとバリウムは体内で固まってきます。
ですので、バリウムが体内で固まってしまう前に、少しでも早く便として体の外に排出させる必要があるのです。
バリウムが体内で固まってしまうと様々な悪影響が出てきます。
代表的なものとして、主にこのような影響が心配されます
- 憩室炎
- 腸閉塞
では、これらがどのようなものか詳しくまとめてみましょう。
憩室炎
大腸に小さなくぼみ(憩室)ができます。
誰にでもこのくぼみは出来るもので、無症状の事が多いのですが、ここに便が溜まると炎症を起こすことがあります。
特にバリウムを飲んだ後の固まった便がここに溜まると炎症をおこしやすく、また固い便を排出しようといきんでしまうとこのくぼみが破裂してしまい重症となることもあります。
腸閉塞
文字通り腸の中を便がふさいでしまい、流れなくなります。
流れなくなるという事は食事をしてもどんどんお腹の中で要らないものが溜まっていき、毒素もでてきます。
そして溜まっている便の部分から壊死が始まることもあります。
いずれの症状も、腹痛や吐き気といった自覚症状があらわれ始めます。
短時間で収まらない場合は病院を受診しましょう。
自力で便を出すことが難しくなった場合は、病院で高圧浣腸や内視鏡で便を出さなければいけなくなることもあります。
最悪、開腹手術ということもありますので、そうならないためにも早めに出すようにしましょう。
下剤を服用しても便が出ない時には?
下剤を服用してもなかなか便が出てこない時は、以下のような方法で腸を刺激してみてください。
1. コーヒー、牛乳、冷水(硬水の方がベター)など、便が出やすくなりそうな水分を多く摂る。
2. 水溶性食物繊維(海藻やオクラ等)が多いものを食べる。(これらは水分を保持したまま余分な老廃物、有害物質を包み込んで排出させる働きがあります)
3. お腹を時計回りにさする。
4. トイレで座るだけでもいいのでこまめに行く。検査後は余裕のあるスケジュールを確保しておくと安心ですね。
このような方法で腸を刺激してみましょう。
下剤はほとんどの病院でバリウムを飲んだ検査後に出されるのですが、早い人で3時間、遅くても翌日、翌々日、までにバリウム便は出し切るようにします。
それでも効果がない場合は下剤を追加することも出来ますが、飲みすぎると強烈な腹痛や下痢になる時もありますので、検査を受けた病院に確認をしてから飲んでみましょう。
特に、普段から便秘がちである人は便意が感じにくく、膨満感も鈍くなりがちですので多めに下剤を処方してもらい、意識的にトイレに行くようにしましょう。
まとめ
健康診断には欠かせないバリウム。
健康診断はバリウムを飲んで検査して終わりではなく、そのあとのバリウムを体外に出し切るという事も検査の一部と考えたいものですね。
おなかの中にバリウムが留まったままだと、時間がたつにつれてどんどん排出されにくくなってしまいます。
後々、困ったことにならないためにも、水分を多めに摂り、意識して出来るだけ早くトイレに行くように心がけましょう。