九月の行事と言って思い出すのは、やっぱり「十五夜」ですよね。
家族みんなで縁側で、すすきを飾ってお団子を備えて、月を眺める・・・
これが我が家の「十五夜」の過ごし方なのですが、みなさんの十五夜の過ごし方はいかがですか?
ちなみに、私は小さい頃に祖母に教わった過ごし方なんですよ。
教わった当初はあれこれ不思議に思ったものですが、今となっては、自分の子どもに色々聞かれる側になりました。
そこで今回は「十五夜」の色々についてみていきましょう。
十五夜に月見をするのは何故?
「十五夜」と言えば、やはり「月見」ですが、それってどうしてなんでしょうね?
また、みなさんも実感していることかと思いますが、秋は野菜や果物がたくさん取れる季節です。
それは昔も変わらず、その豊作に感謝をして、日本では満月の夜にお祭りをしていました。
一番きれいに月が見える、その日にお祭りをする・・・昔の習わしが、今に受け継がれているんですね。
・・・ちなみに、「月見」自体は平安時代に貴族が始めた行事で、庶民には江戸時代にこのお祭りを経て、少しずつ親しめるようになっていたそうですよ。
スポンサーリンク十五夜は満月ではないの?
さて、そんな「十五夜」ですが、常に満月なのでしょうか?
その疑問について考える前に、1つ。
みなさんは「十五夜」が、一般的に「中秋の名月」と呼ばれているのはご存知ですか?
「中秋の名月」は、旧暦の八月十五日のお月様のことを指します。
旧暦だと七~九月が秋と呼ばれ、秋の中日がちょうど八月十五日。
そして、その季節月がきれいに見える、という理由から八月十五日に見える月は「中秋の名月」と呼ばれるようになりました。
・・・とはいえ、旧暦は現在廃止されてしまって、中秋の名月は八月十五日ではなくなってしまっています。
そこで、今は「秋分の日に最も近い満月くらいの日」を「中秋の名月」としていて、毎年日付も違っているそうです。
そんな理由も踏まえて、最初の問題ですが、こうして見ても分かるとおり、「中秋の名月」とは日付優先で決められたようなもので、正確には≪満月でなければいけない≫と言うものではなかったのです。
また、月の周期の関係で、新月から大体十五日目を「中秋の名月」と呼んでいるだけで、必ずしも満月になるとは限らないんですって。
どうして月見にうさぎがつきものなの?
さて「十五夜」で気になることと言えばもう1つ。
「月にいるうさぎ」について、です。小さい頃、『「十五夜」の月にはうさぎが映っている』というお話を聞いたことはあると思います。
そのお話の根拠はなんだろう?なんて思ったことはないですか?
それは、インドのジャガータ神話からきているものなんだそうです。
昔、キツネ・サル・ウサギが仲良く暮らしているところに、みすぼらしい老人が現れ、食べ物を恵んでほしいと頼みます。
その老人は今にも力尽きそうなほど弱っており、3匹は慌てて食べ物を採りに向かいます。
サルとキツネは食べ物を採って帰りますが、ウサギは採ることが出来ないまま、帰路につきました。
しかし、申し訳なく思ったうさぎは再び食べ物を採りに向かいますが、どうすれば食べ物を取れるか分からずに再びおじいさんたちの待つ場所へと戻ると、サルとキツネに嘘つきと非難される始末。
ウサギはおじいさんに「自分は何も取れなかったから、自分を食べて欲しい」と焚き火に身をなげてしまいました。
このおじいさんは、実は帝釈天という神様で、このウサギの慈悲深い行動を永遠に伝えようと、月にウサギを昇らせた、と言われています。
お話自体は少し悲しいですが、改めて聞いてみると月見にうさぎが関わっている理由も頷けますね。
まとめ
「十五夜」の月見について見てきましたが、なるほど・・・と思うことばかりでした。
子どもに話して聞かせるのに、改めて知ることもありました。
ウサギのお話も今更ながら、少し胸が痛くなりました。
これからは「十五夜」の月の見方も変わりそうです。