「あ、風向きが変わったから台風が通り過ぎたんだね」
なんていう人に出会ったことはありませんか?
え? なんで? なんでわかるの? ニュースで見たわけでもないのに? エスパーなの?
実は台風には風向きの法則があるんです。なので空からの映像を見なくても、だいたいの台風の位置がわかっちゃうんですよ。
■そもそも台風とはなに?
■台風の風向きの法則は?
■台風が反時計回りなのはどうして?
台風は地球の動きが関わる壮大な気象。この驚きの仕組みをぜひ一緒に見ていきましょう。
台風って何?
台風とは、海から海水が蒸発して行く過程で生まれる空気の渦が、巨大に進化したものです。
回転する巨大な空気の渦巻きというとわかりやすいでしょうか?
小さい規模のものは「熱帯低気圧」という名前で呼ばれ、ある強さに達すると「台風」呼ばれるようになるんです。
そして、生まれる海の場所によって台風は「サイクロン」と呼ばれたり、「ハリケーン」と呼ばれたりするんです。
簡単に説明すると、
・台風
赤道より北で、日本の南の海で生まれた最大風速17.2m/s以上の熱帯低気圧のこと
・サイクロン
台風と同じ規模だけど、生まれた海はインド北の海と、赤道より南の海
・ハリケーン
アメリカ大陸をはさんで東と西の海で生まれたもので、最大風速32.7m/s以上のもの(それより小さい規模のものは「トロピカルストーム」)
いろいろ呼び名があって面白いですね。
そして台風の規模は風の強さと、風の吹く範囲の大きさで表現されているんです。
ニュースで「大型で非常に強い台風」とか「超大型で猛烈な台風」とか言いますよね。
あれにも決まりがあるんですよ。
・風の強さ
強い 最大風速32.7〜43.7m/s
非常に強い 最大風速43.7〜54.0m/s
猛烈な 最大風速54.0m/s以上
・風の吹く範囲の大きさの半径(風速15m/s以上)
大型(または大きい) 500〜800km
超大型(または非常に大きい) 800km以上
この2つを組み合わせて報道しているのですね。
他にも台風の規模を表す表現があります。
・ヘクトパスカル(hPa)
これは気圧の単位で、台風の中心の気圧を表現する時によく使われます。
台風はだいたいが900hPa代で、数字が小さいほど風が強くなります。
・ノット(kt)
日本では風速を使いますが、世界標準で使われる風の速さの単位です。1ktは風速0.5m/sです。
スポンサーリンク台風の風向きの法則は?
台風の周りには風向きの法則があります。ですので風の向きでだいたいの台風の位置がわかるんですね。
例えば台風がまっすぐ北上している時、風向きの法則はこうです。
【台風の西側】
- 通過前 東風
- 通過中 北風
- 通過後 西風
【台風の東側】
- 通過前 東風
- 通過中 南風
- 通過後 西風
【台風の真下】
- 通過前 風向きは特に変わらず、どんどん強くなる
- 台風の中心(台風の目)に入ると、風は止む
- 通過後 強い吹き返しの風が吹く
もちろん台風がまっすぐに北上することは滅多にありませんので、風向きは変化しますが、吹いてくる方向はこの法則に従っているんですよ。
完全に正確とは言えない時もありますが、衛生映像などなかった昔の人はこの法則で台風の位置を把握していたんです。
台風の風が反時計回りの理由は?
台風の衛生写真を見るとわかりますが、台風の渦は必ず反時計回り(左まわり)なんですね。
これにもはっきりとした理由があります。
それは地球が回っているからなんです。
地球はぐんぐん回っていますので、空気も回る方向に力が加わってしまうんです。
これを「コリオリの力」っていうんですって。
北半球では、気圧の中心に向かう空気が、右に方向を変えようとします。
右に行こうとする空気を中心に引きずり込もうとすると、左向きに引っ張らないといけませんよね。それで左まわり、反時計回りの渦ができるわけです。
実は、このコリオリの力、南半球では反対に働きます。
つまり空気は左に方向を変えようとするんです。
なので南半球では台風(サイクロン)は右まわり、時計回りの渦になるんですよ。
面白いですね。
まとめ
台風の渦の向きに、地球の自転が関係しているとは本当に驚きです。
普段は地球が回っているとか考えもせずに、自然に時間を過ごしていますが、それでも地球はまわっているんですね!
私たちが壮大な宇宙の中で、その法則に影響されて生きているんだなぁって、ちょっと感動してしまいました。